その後もますます激しくなる頭痛、倦怠、鬱状態、ついでに性欲激減という過酷な試練と戦いながら、アタック最終日を迎えることになった。 「スーパーサイズ・ミー」 2004年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート 2004年サンダンス映画祭で最優秀監督賞を受賞 2004年Full Frame Documentary Film FestivalでMTV>News:Docs:Prize ※上映6週間後、マクドナルド社は「この映画の影響との関連性はナシ」としながらも「スーパーサイズ」を廃止し、「いつものメニューに加えてより健康的なメニューの提供を開始する」と発表したそうな。。。めでたし、めでたし
2007-09-03
マック・アタック!
映画でも観ようかなと、契約しているオンデマンドをいろいろと物色していた。
映画はよく観るんだけど、こってりした恋愛ものは120%観ないし、ベタなアクション、SFものもあんまり観ない。
青春ものなんて喜んで観るような歳でもないし、ガチガチな推理ものもあんまり興味が湧かない。
ようするにあんまり空想だらけの、アリエナイような展開が肌に合わないようだ。
どちらかというと社会問題や政治、歴史もの、深層心理ものや考えさせられるもの、超感動ものはもちろん実話やドキュメンタリー…といったジャンルが好きなようだ。
ということで、今日はドキュメンタリー系でも観てみようかと探していたら、なんとなく興味をそそられるものが目に映った。
それはどんなものかというと…
『スーパーサイズ・ミー』という2004年に公開されたアメリカ映画だ。
映画の内容は主演兼監督のモーガン・スパーロックが、「朝昼晩と一日3回、30日間、マクドナルドのファストフードだけを食べ続けたらどうなるか」というアホな企画を記録したドキュメンタリー映画なんだけど。。。
あれっ、さっきまでずいぶんとカッコつけて正統派の映画フリークぶっていたのに、こういうのって…?
いやいや、バカにするなかれ、これが立派なアメリカ社会を映し出す作品となってるんです!
しかもいまどき中学生でもやりそうもない”しょーもないアホな企画”を通じながらも、シッカリと現代アメリカ社会に一石を投じるといった構成で、いままでにない記憶に残る映画になる予感が…タブン、オソラク。。
2002年11月 ハンパでないメタボな2人の女の子が「ウチらががメタボでダメポになったんは、全部マックのハンバーガーのせいやわっ!」と関西人なワケないんだけど、そう言って訴訟を起こした。(しかも関西ではマック=マクドですね)
ハァ??と一瞬思うわけだけど、ここはなんせナンデモカンデモ人のせいにする訴訟大国アメリカだ。ありえない話ではない。
で、判決はどうなったかと言うと、「そんなんナ~ンモ因果関係あらへんがな!」と裁判所はサクッと却下。マック側の勝利に終わった。(あたりまえやん!…と最初は思っていたのだが…)
アメリカでは以前タバコ会社に対する同じような訴訟で、タバコ会社側が敗訴している経緯から、スパーロックは「じゃあファストフード業界にもあてはまるんじゃん?」と思いたちこの映画を実録する気になったそうだ。
それにしても自分としてはこういうアホな企画、決して嫌いじゃない。いやむしろ敬意を表したいくらいだ。大スキだ♪(笑)
スパーロック(33歳)はこの『マック・アタック』を始めるにあたって、心臓科医、胃腸科医、内科医、管理栄養士、運動生理学専門家の協力をとりつけ健康診断やレクチャーを受けた。
身長188.0cm、体重84.3kg、体脂肪率11%…
その他にも血液、血圧、心拍数その他もろもろの診断結果は、平均以上のもので、ロックは絵に描いたような健康優良爺でメタボの”メ”の字すら該当していない。
いよいよ『マック・アタック』が開始されるわけだけど、そこで公平を期すため(?)次のような4つのルールでアタックを行うことになった。
1.一日3回の食事はすべてマック商品とし、完食すること(ドリンク、水もマック製)
2.マックメニューは最低一回は完全制覇すること
3.マックメニュー以外のものはいっさい口にしないこと
4.「スーパーサイズ」メニューを勧められたら、拒むべからず
ちなみにこのスーパーサイズっていうのは、コーラだったら1,200ml、ポテトであれば230gもある!一回の食事でコーラ1.2㍑って…
いったいどんだけなん?(笑)
確かにアメリカでのSサイズってのは、日本でいうMサイズくらい(もしくはそれ以上)だから、うなずけない量でもない。(って、うなずけるかいっ!)
主たる舞台はロックの会社のあるニューヨーク。
って、ぉぃぉぃロックって、サラリーマンだったのかよ(笑)
ニューヨークって所はタテにAvenue.(アベニュー)、ヨコにStreet(ストリート)という”通り”がたっくさん配置されていて、ハッキリ言ってマンハッタン内であれば歩いちゃった方が早いくらいだから、ニューヨーカーというのはよく歩く。一般的なニューヨークのサラリーマンだと平均6~7kmくらい歩く。でもそんなに歩くと”平均的な”アメリカ人以上に歩いちゃうことになるんで、万歩計をつけて一日2,000歩以内に抑えることにした。
こうして命知らずの特攻野郎の無謀な挑戦が始まった。
1日目 これから訪れる地獄を完全に読み間違えている能天気なロック。なんだかとっても楽しそう♪しかもメッチャおいしそうに食ってるし(笑)
「いいなぁ~ロック♪」
2日目 昼食でさっそく初の「スーパーサイズ」を勧められ、もちろん断る理由はなく迷わず注文…
デカ過ぎる!多すぎる!見た目でムリ!アホか?
ロックは自分で決めたルールだし、戦いはまだ始まったばかりなんで、ここでポテトを…いやサジを投げるわけにもいかない。
それでもまだ楽しんでる感のあるロック。
しゃっくりが出れば「マックしゃっくり」だの、腹がぶくぶくになってくれば「マックぶくぶく」、あげくの果てにはオナラが出れば「マック屁」などとはしゃいでいる。
「いいねぇロック、いいよいいよぉ♪」
でも見ている方は気持ちワルイ。胃もたれしてきそうだ。
そのうちあきらかに無口になってくるロック。戦意喪失は火を見るよりも明らかだ。
それでもロックは時間をかけ、「マックゲップ」と「マック屁」をまじえながらもなんとか完食!
「ぃよっ、ロックおつかれぃ!」
するとロック、なんだか腹を押さえだした。「マック腹痛」を覚えるロック。「死ぬぅ~」とか言ってやがる。(笑)
「がんばれロック!」
次の瞬間、いきなりドナルドか何かにとり憑かれたのか、ものすごい勢いで車のウインドウを開けるロック。
「グゥェェェエエエエエッ!」ビチャビチャビチャ…「ペッ!」
「おぅぇぇぇえええええっ!」びちゃびちゃびちゃ…「ぺっ!」
「きったねぇ~な、おい!」
なななんとロックの野郎出しやがった。。。
「こーのバカモンがぁー!」
しかもその”具”まで映像で残すほどの念の入れよう。
「スキだなぁ、こういうノリ♪」
5日後 体重88.0㎏(+3.7㎏)アタック開始当初の体重を維持するためには、一日に摂取するカロリーはせいぜい2,500Kcal程度。 それが今や一日5,000Kcalも摂っている状態だ。心なしかロックの顔はむくみ、張りもツヤもなくなってきているように感じる。
「キテるねぇー、ロック♪」
10日後 体重92.0㎏(+7.7㎏)頭痛、倦怠、軽い鬱状態に陥る症状も出てきた。
コレステロール値は165から225へとポイントアップだ。
「おめでとうロック、その調子、その調子♪」
18日後 体重91.6㎏(-0.4㎏)なにぃぃ!少し減っちゃったではないか!想定外。これは脂肪よりも重い筋肉が減り、逆に脂肪が増えたため起こった現象らしい。つまり完全に筋肉と脂肪とのバランスが崩れてきた証拠だ。頭痛、倦怠、鬱状態はますます頻繁に現れるようになってきた。ハンバーガーを食べていないと気分が冴えず、食べる始めると気分は高揚する、といった中毒症状も出てきているようだ。
「まだまだイケそうだねロック♪」
21日目 突然夜中に汗をかきながら起きだし、眠れなくなったロック。朝を待ち病院に行き診察を受けてみると…
肝臓がペースト状になる高尿酸血症状態で、このままいくと痛風になるそうだ。腎臓結石にもなる。とにかく肝臓がヤバイ状態で「すぐにこんなバカげた実験はやめなさい!」とまで言われてしまったショボンなロック。
「かわいそうなロック」「でも、こんなことくらいじゃヘコタレないよな、ロッキュン♪」
そんな思いが通じたのか、頑(かたく)なにこの”バカ”とまで形容された実験を継続しようとするロック。バカの中のバ…いや、アホの中のア…いやいや、男の中の男だ!
「まっ、負けるなロック!」
もはやロックの症状は深刻だ。にもかかわらず、最後の晩餐はこれまで自分でインタビューや取材をしてお世話になった人達を招待し、大々的なマックパーティーだ。ドナルドをはじめグリマス、バーディ、ハンバーグラー、ビッグマック・ポリス、メイヤー・マックチーズ、キャプテン・クローク、プロフェッサーといった、そうそうたるマックキャラ達もおおはしゃぎだ。もちろん招待された子供達は半狂乱。そんな律儀なロック主催のパーティーもロックの「マックゲップ」とともに終焉を迎えたのである。
■実験後の診断結果■
Before After
【体重】 84.3㎏ → 95.3㎏(+11.0㎏)
【コレステロール値】 165pt → 230pt(+65pt)
【体脂肪率】 11% → 18%(+7%)
【性生活】 ?回 → 0回
【心臓病、心不全の危険度】→ 2倍以上
頭痛、疲労感、情緒不安定、鬱症状その他症状が現れ、マック・アタックをそのまま続けていれば、確実に冠動脈性心臓病になるそうだ。
ちなみに我らがロックのこの1ヶ月間で摂取した糖分は砂糖13㎏、脂肪分にいたっては肉の脂味5㎏に相当するらしい。(相当量を映像で見るだけで吐きそうだ)
ホントは食べない方が身のためなんだけど、あえて栄養士が渋々許可してくれるマック消費量の8か月分を、軽くオーバーしたそうだ。
以上のような旧日本陸軍直属部隊満州第731部隊(通称石井部隊)もビックリの人体実験結果を、自らの臨死体験をもって証明してみせてくれたのでした。
現代アメリカを中心としたファストフード文化に警笛を鳴らすべく、ロック自らがモルモットとなり問題提起していく生々しいドキュメンタリーなわけだけど、我々消費者やその筋の専門家、学校関係者、食品業界、あるいはその業界に雇われる圧力団体までと、いろいろな立場の人へのインタビューで多くが占められている内容の映画だった。
先進国(あえて資本主義国とは限定しないが)どこへ行っても同じかも知れないけど、食品業界というのは(まぁ、他の業界も同じだけど)いろんな団体とベッタリで利権を貪(むさぼ)っている業界だ。顕著な例をあげると「狂牛肉の無差別流出」が記憶に新しいだろう。
たとえばある州の高校(中学?)の学校給食では、メニューがピザだとかポテトだとか、なんだか冷凍食品ばかりで、それらを生徒が選んで喜んで食べてるんだけど、それはもうまるで高カロリー、高塩分のヒトのエサ状態。
びっくりしたのが、学校や病院にもマックが併設されている始末。(あれ?でも自分の出身大学って校内にマックあったなぁ…爆)
これらもすべてが利権がらみで、まさに教育の場が食品業界の圧力で”制圧”されている状態だった。
チキンナゲットなんて老鶏、奇形鶏のどこの部分を使っているのかもわからないそうだ。
ファストフード業界は、巨額の広告費を積みこみ、金をかければかけるほど売り上げが比例して伸びていく構造らしい。
特にマックなどはいろいろなキャラクターを生みだし、それを景品にするなど子供達のいたいけな購買意欲をかきたて、はたまた食(ハンバーガー)を対価に店の中に遊戯場を設け、子供達をそこで遊ばせるといった手法をとり、まさに「子供心」を商売道具にしている企業だ。
裁判になった事例をとって言えば、ほとんどの店がカロリー表はあっても表示していない、または見えない。ヒドイ所になるとない。これでは女の子達が訴訟を起こしても、製品の表示義務を怠っているわけだから、一概に「因果関係はない」と決めつけるのもムリがあるように思えてくる。
国によって法律や人種によるものの考え、地方に行けば地方の条例等いろいろなシバリがあるだろうけど、やっぱりこういった利権を子供相手に行使することはいくら超市場原理主義のアメリカにおいても自重すべきではないのか!と改めて思わせる映画でした。
と、なんとなく最後の方はマジメくさっちゃったけど、考えてみればマックと同じように、まさに子供心でボロ儲けしている「Toys are us.(トイザラス)」があるのをスッカリ忘れてました。つか、子供心で設けてる商売なんていくらでもあるわな(笑)
オチにならなくなっちゃったわぃ。。。ショボーン
いや、自分は体に悪い食品をキャラクターという蓑(みの)を着せ、子供心を煽ったり釣っちゃアカンと言ってるのであって…
って、疲れたし明日もあるからもーいいわい!寝る!
ちなみに我らがロック、ベジタリアンの彼女の協力をもってしても、11㎏の体重を落とすのにかかった日数は、9㎏分で5ヶ月間、残りの2㎏分は9ヶ月間もかかったそうです。
投稿者
おみたん
時刻:
9/03/2007
