2007-04-27

すばらしい一日♪

イングリット・フジコ・ヘミング ピアノソロコンサート ~日本武道館~






第一部 
ショパン ワルツ   第9番 変イ長調Op.69-1
             第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」Op.18
      バラード  第1番 ト長調Op.23
      ノクターン 第1番 変ロ長調 Op.9-1
      エチュード 第1番 変イ長調「牧童(エオリアン・ハープ)」Op.25-1
             第3番 ホ長調「別れの曲」Op.10-3
             第5番 変ト長調「黒鍵」Op.10-5
             第12番 ハ短調「革命」OP.10-12
第二部
ドビュッシー 月の光 ベルガマスク組曲第3曲
ラヴェル   亡き王女のためのパヴァーヌ
リスト     ため息 S.144-3 3つの演奏会用練習曲より
         いずこへ S.565-5
           (原曲:シューベルト歌曲集「美しき水牛小屋の娘」第2曲)
        愛の夢 第3番 変イ長調S.541-3 3つのノクターンより
        ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調S244-2
        春の宵 S.568
              (原曲:シューマン歌曲集「リーダークライス」第12曲
        パガニーニによる大練習曲
                      第6番イ短調「主題と変奏」S.141-6
        ラ・カンパネラ S.141-3 パガニーニによる大練習曲第3番




待ちに待ったフジコ・ヘミングのソロコンサート行ってきました。
しかも平日の昼3時からなんで、無理やり半休をとっての強行突破!

席は1階S席の思ったより全然いい席で、真正面からステージを見下ろせるメチャいい席で超ラッキーでした。

フジコ・ヘミングといえば、ピアノそのものの技術を語らせれば音楽専門家達からは賛否両論聞こえてくるだろうけど、やっぱりその”壮絶な生きざま”が半官びいき大好きな日本人の心を打つ。

ベルリンで生まれ、戦争の事情により父親がスウェーデンに単身帰国。
以降母親と弟とともに東京で暮らし、大学卒業後ピアノ留学を希望するも親の事情による無国籍が判明。
以降留学の機会を伺いつつピアニストとして音楽活動を行い、赤十字認定の「難民」として29歳で国立ベルリン音楽大学に留学。
優秀な成績で卒業後、長い間の貧困生活を耐え今世紀最大の作曲家・指揮者の一人と言われるブルーノ・マデルナに才能を認められ彼のソリストとして契約するも、リサイタル直前の風邪により音楽家としては致命的な”聴力を失う”(現在左耳のみ若干回復)といったアクシデントに見舞われ、やっとの思いで掴んだ大きなチャンスを逃してしまった。
耳の治療のかたわら音楽教師としてドイツ、フランスで活動~現在に至る。(12月で75歳)

といった苦労に苦労を重ねた人物で、こんなにちゃらけたアホなブログで、しかもたったの数行でフジコの半生を紹介するなんて非常におこがましいんだけど、とにかく苦労に苦労を重ねた超遅咲きの苦労人だ。

そんな生きざまに感銘を受けた観客が、昨日はなんと1万4千人も日本武道館に集まった。
さすがにこんな平日の真っ昼間のコンサートのため男性客は少なく、かなりの確率で女性客だったけど…(笑)
(企画の〇〇さんと〇〇さん、見かけちゃいましたよ。ヘッヘッヘ)
そして今回のコンサートのフジコのギャラは全てユニセフと動物愛護団体に寄付されるらしい。

「第一部」青のロングドレスでゆったりとした足取りでフジコが登場。
観客にこれまたゆったりと挨拶を交わし、ショパンのワルツ~バラードを弾いていく。
いつものことながら”寝ながら”聴いていたんだけど、フジコのやさしい指使いが耳に心地よかった。

20分の休憩を挟んでの「第二部」
キレイな着物を羽織ってフジコが登場。
帯を縫いつけた着物をそのまま羽織っただけの衣装だった。
なかなか奇抜な着こなしなんだけど、フジコが着ると妙にカワイイ♪

常識にとらわれない生きかた、常識にとらわれない着物の着付け(着付けとは言わない?w)、まさに「フジコ・ヘミング」がこんなところでも象徴されているような気がした。

ドビュッシー、ラヴェルと続き、得意とされるリストの演目へ…
あいかわらず”寝ながら”聴き耳をたててはいたものの、「ハンガリー狂詩曲」(これは特にすばらしかった)あたりからは”耳を乗り出すように”聴き入った。

〆はもちろん「ラ・カンパネラ」♪
よく言われることだけど、フジコは決して楽譜に忠実でない演奏をするらしい。
でもフジコの演奏はなぜか心地よかった。
演奏は大きなモニターでも映されていたけど、決して指が長いわけでもないし、その筋の人達から見れば技巧派ではないんだろう。
超本格的技巧派アンドレ・ワッツの鬼のような「ラ・カンパネラ」をCDで聴きなれているため、当然フジコはそれよりもテンポは遅いし、変則的なテンポで、ワッツのカンパネラが楽譜通りだとしたら若干の編曲もしているのはわかった。
でもそういったフジコの非完全さが、逆にわれわれ素人にとっては心地いいのかも知れない。

全体を通してズブの自分でも7箇所くらい「噛んじゃったかな?」と思われる部分もあったんだけど、それもフジコらしいというか、フジコだからこそそれも立派な「譜」になっちゃうって感じで、ホントにほのぼのとするあたたかい演奏だった。

曲からも語りからも、歩き方や衣装まで全体的な雰囲気が独特で落ち着きがあり、器の大きいおばーちゃんだなと感じたすばらしいコンサートでした。


朝から天気がよく新緑の北の丸公園を歩いても気持ちよくって、いい曲も聴けたし、いいことづくめの心に残るとってもいい一日になりました♪



撮ってはいけない写真を今回も…

携帯なんでまったくぼやけて光ってるだけでワケわかりませんが、左がフジコ、右が黒柳たまねぎです。

後ろの赤いおねーちゃんはユニセフ基金の基金証明書を運んできた子です。